鹿児島県姶良市、霧島市地区において、一番長い業務実績がある法律事務所です。℡0995-63-8822

事務所便り2018年1月1日

事務所便り2018年1月1日

''福 顔 無 敵" 

 明けましておめでとうございます。
 皆さん,健やかな新年をお迎えのことと拝察いたします。
 早いもので,年頭所感を一言申し述べる時期となりました。
 私たちのように人に接する機会の多い仕事に就いている方々にとって,長い間には,たまに相手に不愉快な思いをさせたり,時には文句を言われたりするようなことが起こらないとは限りません。
そこで,「福顔無敵」という言葉を心に留めておきたいものです。
相手の穏やかな顔に接した時に,怒りを覚える人はいません。
 何か文句を言おうと思って相手に会いに行ったところ,相手が笑顔で挨拶を交わし,とても穏やかな話し方で,「今日は,何の御用で?」と言われたら,その人は,そこに乗り込んで行った目的も忘れてしまい,或いは言いそびれてしまい,相手につられて,こちらも穏やかに言葉を交わし,とりとめもない挨拶をして帰ってしまった,ということがあるものです。
 顔つきが良くない上に言葉使いが荒いとよく言われる私としては,このように,笑顔で穏やかに話すことは相手の怒りを鎮めるための特効薬であるばかりでなく,相手を和ませる妙薬でもあるということを肝に銘じて,この一年クライアントに接することを心掛けたいものだと思います。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(弁護士 野間俊美)


今月のコラム

1 はじめに
 皆様は土地や建物の所有者名義が誰になっているか調べる方法を知っていますか?答えは法務局で対象の不動産の全部事項証明書(以下,一般的に使われている呼称に合わせて「登記簿謄本」といいます)を入手することです。 
 法律関連,不動産関連,建築関連の事業に関わる人たちにとっては常識なのですが,一般の方の中には「そんなものとったこともなければ見たこともない」という方もいらっしゃるようです。 
 登記簿謄本は,手数料さえ払えば(現在は一筆の土地,一棟の建物につき600円の印紙を貼付),誰でも取得可能です。すなわち,自分の所有する不動産のみならず,他人の不動産についても,所有権,担保権の存在や差押えの有無等の権利関係を調べることが可能なのです。

2 所有権の移転登記をしないことによるリスク

  1. 売買などの取引の場合
     他人から不動産を買った場合は,前所有者であった売主から現所有者となった買主に所有権の移転登記がなされるべきです。
     しかし,そのためには売主と買主が共同して所有権の移転登記手続きをする必要があります。登記手続きをしなければ登記簿上の所有者名義は変更されません。
     現実の不動産売買においては,不動産業者が仲介等で関与することが多く,その業者が所有権の移転登記手続きを代行してくれる司法書士に委任することまで面倒をみてくれることが多いことから,所有権の移転登記手続きについては皆様はあまり気にならないのかもしれません。
     しかし,業者が関与しない個人間での不動産の売買や,いい加減,悪質な業者が関与している売買の場合には,意図せず又は意図して,所有権移転登記手続きがなされないケースがあります。そのようなケースで長期間そのことに気付かないままでいると,最終的には,せっかく買った不動産の所有権を失ってしまうこともあり得ます。
  2. 相続の場合
     自宅の土地建物などを所有していた人が亡くなった場合,その不動産は配偶者や子といった相続人に相続されます。そして,その不動産の相続について特定の相続人に相続させるとの遺言書がある場合は,特定の相続人の単独所有となり,遺言書がない場合は,相続人全員が法定相続分の持分でその不動産を共有していることになります。しかし,どちらの場合も相続による所有権の移転登記(いわゆる「相続登記」)の手続きをしない限り,登記簿上の所有者名義は亡くなった方のままです。
     この点,亡くなった親と同居していた相続人の一人が,相続登記をせずに自宅に居住し続けても,同居していなかった兄弟姉妹はそれを当たり前と考えトラブルになることは少ないかもしれません。しかし,その後,相続が重なって世代が代わってから居住者が自分の単独名義に相続登記をしようとしても,多数になってしまった相続人全員の協力を得られなかったり,一部相続人から多額の金銭を請求されたりするなどトラブルになることがあり得ます。
     また,亡くなった親の自宅に誰も住むことがないケースでは,やがてはその自宅は廃墟と化し,町の景観を損ねるばかりか倒壊リスクが生じ近隣に危険を及ぼすことさえあるでしょう。そのような中,責任感の強い相続人の一人が自分の単独名義に相続登記した上で,家屋の解体や土地の売却処分などしようとしても,相続が重なっていると,やはり上記と同じようなトラブルになる可能性が高いと思います。

3 対策

  1.  不動産の取引については,契約する前に登記簿上の所有者名義が売主と同一であるか,所有権移転登記手続きは誰がするのか,契約後に自分名義に登記簿上の所有者名義が変っているかなど自分自身で確認すべきです。霧島市にある法務局で登記簿謄本の取得は可能です(法務局に備え付けの地図で場所の特定さえできれば,受付の方が取得方法について丁寧に教えてくれると思います)。
     もし,売主の登記名義ではなかったら当然契約すべきではありません。無権利者の可能性が高く,所有権を取得できないおそれが高いです。一方,契約後,代金を支払ったにもかかわらず,売主名義から買主である自分の名義に登記が変っていなかったら,弁護士に相談するなどの行動をとってください。放置しておくと,売主による二重譲渡などにより所有権を失ってしまうおそれがあります。
     その上で,売買契約書や代金支払いの証書等は半永久的に大切に保管しておきましょう。
  2.  相続については,遺言書があればその遺言書を使って相続登記をするべきです。遺言書がない場合は,その不動産を必要としているか否かにかかわらず,他の相続人全員と遺産分割協議をした上で相続登記をしましょう(させましょう)。協議がまとまらない場合や協議そのものができない場合は家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てるべきです。「面倒だ」と遺産分割を放置したまま時間が経過すれば,その分だけ相続人の人数も増えていき,遺産分割の合意が困難になっていきます。
     また,自分名義の不動産をお持ちの方は,少なくとも不動産については生前贈与や遺言書にて不動産の承継者を指定するなどの対策を検討しておくべきです。
     要は,不動産を遺された者も不動産を遺す者も,次の世代に負担を負わせないようにすべきと考えます。
     
    4 最後に  
     一般の方で,人生の中で最も高額な個人的取引は,土地の購入や建物の建築,購入ではないでしょうか?そのような重大な取引において,「いろいろな手続は全て業者や売主任せで,その確認の仕方さえも分からない」ではあまりにもリスクが大きすぎます。信用のある売主や業者であるかを見極めるのはもちろん,自分で勉強したり,取引とは無関係な専門家に相談したりするなどしながら,各種手続きの履行状況を慎重に確認するべきです。自分の大切な財産は 自分自身で守らなければなりません。
     不動産が大切な財産である一方で,最近では,相続された不動産については,守るべき大切な財産ではなく,遺産分割の負担や固定資産税の負担,管理責任を背負わされるいわゆる“負動産”と呼ばれることもあるようです。昨年の法務省のサンプル調査によれば,最後の登記から50年以上が経過している所有者不明土地は約22%,面積では北海道の面積に匹敵するほどであり,このほとんどは相続登記が放置されている土地であると考えられます。
     この問題解決は全国共通の喫緊の課題です。具体的には,所有者不明土地について自治体が利用可能とするなどの法制度の整備が求められているようです。しかし私は,我々一人一人が個人の責任問題として意識,行動するべき問題でもあると考えます。

    (弁護士 雨宮敬之)

1 はじめに
 歩道を歩いていて,前から走行してくる自転車に危険を感じたり,その走路を空けるために脇によけたりした経験は多くの人にあると思います。都市部の人通りの多い歩道では日常茶飯事のことかもしれません。
 しかし,そもそも「自転車は歩道を走行してよいのか」という疑問があります。また,走行するのは致し方ないとしても「自転車が歩行者に走路を空けさせる状況はいかがなものか」との思いを抱いている方も多いと思います。
 そこで,今回は,自転車が歩道を走行することに関して,道路交通法上の規定をみながら考察してみたいと思います。


2 道路交通法上の規定

  1. 自転車の歩道走行の可否
     まず知っておきたいことは,自転車は車両であるため,自転車に乗る人は,車道と歩道がある道路においては,原則としては車道を通らなければないということです。 
    もっとも,これについては例外があり,一定の条件のもと歩道の走行が認められている場合がいくつかあります。具体的には,①“自転車通行可”の道路標識又は“普通自転車通行指定部分”の道路標示があるとき,②運転者が13歳未満もしくは70歳以上,又は,身体に障害を負っている場合,③安全のためやむを得ない場合,です。 
    なお,③については,自転車走行者が主観的に思うだけではなく,客観的にも安全上やむを得ないと認められる状況であることが必要でしょう。
  2. 自転車と歩行者の優劣
     前記例外に該当し,歩道を自転車で走行することが可能なケースであったとしても,“歩道”である以上は,歩行者が優先されます。
     歩道を自転車で走行する人は,歩行者の有無に関わらず常に徐行をしなければならず,歩行者の妨害となる場合には,一時停止しなければなりません。つまり,歩道における自転車走行者は,“歩行者保護義務”を負うということになります。
     なお,歩道に普通自転車通行指定部分の道路標示がある歩道の場合は,その指定部分を通行するにおいて必ずしも徐行の必要はありませんが,歩行者の妨害となる場合には,やはり一時停止しなければなりません。なぜなら,普通自転車通行指定部分も歩道である限りは,歩行が制限されることはなく,自転車走行者は通常の歩道と同様の歩行者保護義務を負うからです。

3 まとめ
 結局のところ,歩道はあくまでも歩行者の通行のための道路なのです。やむを得ず歩道を自転車で走行せざるを得ない場合でも,ゆっくりと徐行し,歩行者の動きに十分注意すべきです。
車道も歩道も自転車で通行するにはどちらも危険が伴うと感じたなら,自転車を降り,自転車を手で押しながら歩行者として歩道を利用してほしいと思います。

(弁護士 雨宮敬之)

powered by HAIK 7.2.6
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional