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事務所便り2018年10月1日

事務所便り2018年10月1日

事務所の顏が変わります!!

 例年にない夏の異常高温・風水害や地震などに悩まされた平成最後の今年もあと3ヶ月となりました。
 この「事務所便り」も,いよいよ最終便となりました。
といいますのは,私はすでに喜寿を過ぎて、人並みに心身の衰えを感じ始めたところですが,気力・体力的に絶頂期の雨宮弁護士が法律事務処理面においても私をはるかに凌駕する程にスキルアップして参りましたので,新年からは,私に代わって当事務所の経営を引き継いでくれる予定となっております。
 私は弁護士業を辞めるのではなく,新しい雨宮所長の下で,老弁の私に出来る限度で協力していく所存です。
 長い間いろいろとお世話になりまして本当にありがたく感謝しているところですが,来年から事務所の顔は変わりますけれども,当事務所のモットーである

「自分が幸せになろうと考えないで
   他人を幸せにしようと考えて生きていたら
    いつの間にか、自分が幸せな人生を歩いていた」

という精神は,新所長も確りと引き継いでくれておりますし,今後も私は同じ事務所に一弁護士として勤務していますので,これまでと変わりなく,当事務所に対するご鞭撻・御厚誼の程,どうぞ宜しくお願い申し上げておきます。

(弁護士 野間俊美)


今月のコラム

1 はじめに
 どんなに長生きしても人はいつか亡くなります。そしてその額の大小はあるにしても,亡くなった人には,預貯金や不動産,車などの財産(借金などのマイナス財産,権利や義務も含みます)があるはずです。そして,亡くなった人の配偶者と子(子がない場合は親,子も親もない場合は兄弟姉妹)は,相続人として故人の一切の財産を引き継ぐことになります。
 遺産相続はほとんどの人が人生の中で一度以上は経験する出来事です。そしてトラブルも多いのが実情です。ご自身が相続人になったときに,冷静に対処したり,不利益を被ったりしないようにするためには,遺産相続に関する最低限の法的知識や手続の実態を知っている必要があります。

2 まずは財産の把握と遺言書の有無のチェック
 まずは故人にどのような財産があったのかを調査すべきです。故人の遺品を整理すれば,どこにどんな財産があったか概ね把握できます。借金の返済履歴等がないか預金通帳の最近の履歴や郵便物もチェックすべきでしょう。
 同時に遺言書の有無を確認します。一般的には自筆証書遺言と公正証書遺言がありますが,自筆証書遺言の有無は遺品整理や他の相続人への聞き取りにて確認します。公正証書遺言は公証役場でその存在の有無や内容を確認できます。

3 相続放棄と遺産分割,相続手続
 故人の生前の様子からある程度予想できる場合が多いとは思いますが,調査の結果プラスの財産よりマイナスの財産の方が大きければ,相続放棄を検討すべきです。相続放棄をすれば故人の借金などの債務を引き継がなくて済みます。もっとも,相続放棄は相続人としての地位自体を失うことになりますので,プラスの財産も引き継げません。
 なお,相続放棄は一定の期間(三カ月)以内に家庭裁判所にて手続する必要があるので注意が必要です。
相続放棄をしない場合で自筆証書遺言が存在する場合は,家庭裁判所に検認の手続を請求しなければなりません(公正証書遺言の場合は不要です)。
 相続放棄しない場合で遺言が存在しない場合は,相続人全員で遺産分割協議をする必要があります。なぜなら,遺産分割がなされるまで,不動産や預貯金は相続人全員の共有となってしまい,売却や解約払い戻しが極めて困難となるからです。協議が整わなければ家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てて解決を目指すことになります。
 最終的には,遺言書や遺産分割協議書,遺産分割調停の成立調書や審判書を利用して,不動産の所有権移転登記や預貯金の解約払い戻しを受けるなどの相続手続きが可能になります(預貯金については遺産分割前に“相続人全員の同意のもと”一人の相続人代表者が解約払い戻しを受けることも可能です)。

4 最後に  
 近年では,相続人が遺産分割を怠ったまま死亡して更に相続が重なり,遺産である土地や建物の管理者が不在となり放置されるという問題が各地で起こっています。これらの不動産は町の美観を損ない,近隣に危険を及ぼす存在になっているものもあります。
 一方では,他の相続人の遺産分割の求めに安易に応じ署名捺印したことにより,思わぬ不利益を被ったり,トラブルに発展したりするケースも見受けられます。最近では,著明な作曲家が亡くなり,故人と前妻との間の子が「後妻の求めに応じて書類に署名捺印したところ,かかる書類に記載されていたのが“印税の受け取りを後妻が単独で相続することを認める”という遺産分割の内容であったことが後で発覚した」と主張してトラブルになっているニュースが有名です。
 遺産相続に関する一定程度の法的知識があれば,いざ相続が発生しても,適切な対応を能動的にとることができます。他の相続人の言動から不当な意図も感じ取りやすくなります。
 もちろん相続 イコール トラブル発生ではありません。相続人同士の信頼関係のもと,公正に遺産分割が行われていることも多いと思います。しかし,法的知識がなければ他の相続人の言動が適切で,提案されている分割内容が公正であると評価し感謝することもできません。
 できれば相続の発生前に,遅くとも相続発生後速やかに弁護士などの専門家に相談し,レクチャーを受けておくことをお勧めします。
 

(弁護士 雨宮敬之)

1 はじめに
 皆様ご存じのとおり,昨今,日本のスポーツ界において「パワハラ(パワーハラスメント)」が取り沙汰され話題になっております。もちろんこれは企業においても同様に問題になり得ることであります。
 昨年の7月号では「セクハラ」について書きましたが,今回はハラスメントに関する記事の第二弾として,パワハラについて書きたいと思います。

2 パワハラの判断基準と企業のリスク
 パワーハラスメントという概念は,社会的に定着した用語となっていますが,その評価基準は人により様々な気がします。立場が違えば評価も違うのかもしれませんが,かなり拡大した評価をする人,限定的に評価する人も多いように思います。
 現在,我が国の法令においてはパワハラの定義は規定されていませんが,厚生労働省は「職場におけるパワーハラスメント」について,「同じ職場で働く者に対して,職務上の地位や人間関係などの“職場内の優位性を背景に”,“業務の適正な範囲を超えて”,精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義づけています。
 結局のところ,「職場内での優位性を背景にした言動であるのか否か」や「業務の適正な範囲を超えているのか否か」が評価の判断基準のポイントになります。
 法的にパワハラに当たると判断された場合,パワハラをした本人は不法行為による損害賠償責任に問われますが,企業にも使用者責任,職場環境配慮義務違反などによる損害賠償義務が生じ得ます。

3 私見
 企業の管理職の方々や経営者は,現在はパワハラやセクハラが問題になりやすい時代になってきていることを自覚しておくべきです。パワハラやセクハラが横行していながら対処もできないような旧態依然とした企業や団体は,いずれ衰退していくでしょう。
 一方では,管理職が部下に対して遠慮するようになれば企業や団体は機能不全に陥ります。
 管理職の方々は,自分の部下に対する普段の言動が,適切な場所,適切な時間でなされ,人格攻撃に及ぶことなく業務上必要な指導,指示であることを意識しながらも積極的に部下を育成していくべきです。正当な注意や指導,指示であればパワハラではありません。トラブルになっても毅然としていられます。
 企業としても,従業員の生の声を直接吸い上げるなど,管理職が部下に対してどのように接しているか適切に管理監督しながらも,積極的な人材育成をしている管理職をバックアップし,評価するべきでしょう。

(弁護士 雨宮敬之)

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