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事務所便り2018年7月1日

事務所便り2018年7月1日

華麗なる 弦の響きに 酔いしれて
            みやまホールに 夏を忘れる

 毎年7月下旬から8月上旬にかけて,霧島市牧園町のみやまコンセールを主会場として県内各地で大小のコンサートが開催される霧島国際音楽祭の季節がやってきました。
 
 梅雨が明けると急に酷暑に悩まされる鹿児島です。
炎天下で熱中症対策をしながらゴルフやその他のスポーツ等に汗を流すという消夏法を好む人,涼しい木陰でのんびりと読書三昧あるいはラジオやCDなどによる音楽鑑賞を好む人,自宅に居てクーラーで涼を取りながらテレビ鑑賞を好む人,その他いろいろと独特の珍しい消夏法もあることでしょう。
 
 私は若い頃(と言っても数年前まで)は,夏の暑い時には積極的に身体を動かして良い汗を流すという消夏法以外には,猛暑を乗り切る方法は考えられませんでした。
 
 ところが,“幸期高齢者”と言われる年齢になってからは,音楽の生演奏を聴く消夏法があるのだということをみやまコンセールで体感して,最近では,その素晴らしさに魅せられています。
 
 私は若い頃からよくコンサート会場に足を運んでおり,霧島国際音楽祭がいつも真夏に開催されているのは20年以上前からのことで,長年の間,国内外の有名なアーチストの演奏を楽しんでいますが,生演奏の楽曲に酔いしれることによる消夏法の素晴らしさを知ったのは数年前からです。
 
 考えてみると,多くの演奏会は日没後に開演されるので,真夏でも夜の演奏会はさほど消夏法としての役割を果たしていないのかもしれませんが真夏の昼間に開催される演奏会に出かけられる機会があったら(勿論霧島国際音楽祭では昼間も多くあります),生演奏による消夏法を体験されることをお勧めしたいと思います。 

(弁護士 野間俊美)


今月のコラム

1 はじめに
 弁護士は過去に司法試験を受験しているのですが,その論文試験では,ある事実が問題文に書かれていて,その事実を前提にどの法律のどの条文を適用したり解釈したりして,どのような請求が成り立つのか,又は,特定の請求が成り立つか否かを論じるのが中心です。
 例えば,「勤務先の上司にパワハラを受けて精神を病んだ」という前提事実なら,その上司個人に対しては民法710条の不法行為責任を適用して,勤務先に対しては民法715条の使用者責任を適用して慰謝料や治療費などの損害賠償請求を選択して論じることになるでしょう。

2 弁護士の悩みどころ
 上記と同じような事案の相談は決して珍しい内容の相談とまではいえず,どんな弁護士であっても前記で示した法律の条文を適用して損害賠償請求しようと考えるでしょう。しかし,(特殊な事案を除き)弁護士が悩んだり,苦労したりすることが一番多いのは,依頼者の主張する事実が実際にあったこと,すなわち真実であることをどうやって証明するかです。
 「あの上司から私がパワハラを受けたのは私自身が一番よく分かっています。真実です。ですから,あの上司に責任を取ってもらいたい」と言われても,弁護士としては,本人の証言以外に証拠が全くない請求について,(相手方となる上司が事実を認めていて争わないであろう場合は別として)行動を起こすのは躊躇するところです。弁護士としては一定程度の客観的,直接的な証拠を確保した上で請求したいのです。

3 客観的,直接的な証拠の具体例
 契約違反による損害賠償請求では契約書,貸金の弁済請求では借用書,交通事故による損害賠償請求では事故証明書や現場写真,修理の見積書や治療費の領収書などが客観的な証拠又は直接的な証拠といえるでしょう。前述のパワハラの事案では録音などが考えられますが,第三者の証言なども被害者本人自身の証言よりは客観性を有する証拠といえるでしょう。 

4 事実認定の難しさ  
 ある事実が真実であるかどうかを証拠によって判断する作業が事実認定といわれるものですが,実際の裁判では,法律の適用や解釈の争いよりも,事実認定が争われることが大多数です。少なくない方が,「自分が体験したことは真実なのだから,弁護士にも裁判所にも分かってもらえるはずだ」とお思いになって相談に来られるのですが,証拠が相談者本人の証言だけであって,その他に客観的,直接的な証拠がなければ主張する事実を裁判所に真実と認定してもらうことは極めて困難でしょう。
 このことを相談者に説明すると,「法律や裁判所は役に立たない!」などと幻滅される方がいらっしゃるのですか,違います。法律や裁判所は通常被害救済に役立ちます。ただし,それは,第三者である裁判所からみて,ある事実が真実だと証拠によって認定できる場合に限ります。証拠が不十分で認定できない場合には,法律を適用する前提を欠いてしまうのです。
 では,客観的で直接的な証拠がなければ,請求はあきらめざるを得ないのかというと,必ずしもそうではありません。例えば,1000万円のうち未返済の800万円の貸金弁済請求では,借用書をとっていなかったとしても,①1000万円を自身の口座から相手方の口座に送金した記録,②20万円が定期的に10回に渡り相手方口座から自身の口座に送金された記録,があれば,少なくとも1000万円が相手方に渡り,20万円を10回の合計200万円を相手方から受け取っていることが証明できます。この点,相手方に渡った1000万円について,“弁済の合意”があったことまでの客観的証拠はありませんが,これらに加えて,貸付時のやり取りや貸付の理由を本人が詳細に証言できれば,(相手方から余程の合理的反論とそれを裏付ける証拠が提出されない限り)弁済の合意があったと推認され,その結果1000万円の貸付があったことは真実と証明されるでしょう。
 
5 最後に
 相談される方の中で,客観的で直接的な証拠を持参される方は少ないように思います。そもそも,そのような証拠があれば,相手方から事実を否定されてトラブルになる可能性は低くなります。
 しかし,前述の口座記録のように,何が有力な証拠になるかを一般の方が適切に判断することは難しいものです。弁護士は法律の適用解釈だけでなく,証拠の吟味にも長けています。また,弁護士は,「こんな資料はありませんか」と助言することもできます。何が有力な証拠か分からなくても,ひとまず弁護士に相談してみてください。
 もっとも,トラブル防止のために,証拠を残しておくことが一番大事であることはお忘れなく。

(弁護士 雨宮敬之)

 少し前,廃棄されたといわれていた南スーダンの国連平和維持活動に参加していた自衛隊の日報が電子データで見つかったり,不存在とされていたイラク派遣部隊の日報が見つかったりした問題が起こり,文民統制(シビリアンコントロール)が崩壊しているといった話を新聞やテレビでよく目(耳)にしました。
 そこで今回は,文民統制について簡単に解説したいと思います。
 日本国憲法66条2項は「内閣総理大臣その他の国務大臣は,文民でなければならない」と規定しています。そして,“文民”の意味は,“職業軍人でない者”をいいます。要は,現役の自衛官は大臣にはなれないのです。もっとも,「自衛隊は軍隊ではないとされているから,この規定は無意味だ」との意見もあるのですが,これには深入りしません。
 この規定は,戦前の反省に立ち,軍ないし自衛隊が政治や行政に介入するのを防止するとともに,その組織自体を文民の統治下におこうという目的があるのです。
 イラクの日報を巡っては,当時の防衛大臣が「見つけることはできなかった」と国会答弁した後、自衛隊幹部に「本当にないのか」と尋ねましたが,自衛隊幹部はこれを「捜索して報告せよ」との趣旨の指示とは認識せず,結果,捜索も報告もしなかったとのことです。しかし,当時,国会が自衛隊の日報問題で紛糾する中,「指示とは認識しませんでした」とは合点がいかないのが一般人の感覚だと思います。当時の防衛大臣の統率力や資質の問題はさておき,自衛隊幹部が文民である防衛大臣の指示に対して意図して反した行動をとっていたとしたなら,非常に由々しき問題であることは疑いありません。
 自衛隊が種々の自衛の職務を行うことについても,災害救助の職務に尽力してくれることについても,それは文民である防衛大臣や内閣総理大臣といった各大臣によって組織された内閣のコントロールの及ぶ範囲でなされるべきであるのです。そして,内閣は国民から選挙によって選ばれた国会議員で組織される国会に対して連帯責任を負っています。すなわち,文民統制は民主主義とも密接に関係しているのです。
 アジアの諸国にも,未だ軍部が政治行政に大きな影響力を与えている国が残っています。これらの国々をみると国民の権利や自由に対し抑圧的である国が多いように思います。この実態からも分かるように,文民統制は民主主義や自由,人権尊重とも深く関わっているのです。このことは国民全員が認識しておくべきだと考えます。

(弁護士 雨宮敬之)

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